【DAY10】未知のゴルフショップ「ゴルフドォ?有田店」。中古クラブと「シャフト」の謎
週末。私は英樹に連れられて、大型中古ゴルフショップ『ゴルフドォ?有田店』に足を踏み入れた。
壁一面にズラリと並ぶ中古ゴルフクラブの数々。正直、私にはどれも同じに見える。完全にちんぷんかんぷんだ。妻からの30万円の軍資金を握りしめているとはいえ、一人で来ていたら5分で心が折れていただろう。
英樹は迷うことなく中古アイアンのコーナーへ向かい、棚から同じような形状の「7番アイアン」を4本抜き出して戻ってきた。
英樹「U-ZOさん、とりあえずこの中古の4本を順番に打ってみてください。何も考えずに、普段通り振っていいですよ」
言われるがままに試打席に入り、1本目のクラブを握る。何も考えずに、スッとクラブを振り下ろした。
英樹「……なるほど。よく僕の言いつけを守って、ハーフスイングをしっかり練習したんですね」
私「えっ、そんな事わかるの?」
英樹「わかりますよ。何も考えずに振っているのに、スイングが大振りにならず、コンパクトにまとまっています。あの地味なドリルをやった成果が出てますね」
少し生意気な後輩だが、見ていてくれると素直に嬉しい。接待までの焦りから、野方ゴルフガーデンへ週3回のペースで通い詰め、ひたすら1000円140球の地味な練習を繰り返した甲斐があったというものだ。
気を取り直して、2本目、3本目と順番に試打をしていく。 すると、4本目のクラブを振った時だった。
「カツッ!」
今までとは明らかに違う、ボールの芯を捉えた心地よい音が響いた。力んでいないのに、ボールが真っ直ぐ、力強く飛んでいく。ミートした時の感触が格段にいい。
私「おおっ! これ、すごく振りやすいし、いい音がするぞ!」
運命の一本に出会った興奮で、私は手元のクラブを見つめた。 ……しかし、よく見るとそのクラブ、ヘッドの部分に傷が多く、なんだか全体的にボロボロだった。中古の中でも相当使い込まれている部類だろう。
思わず心の声が漏れてしまった。
私「英樹くん……いくらなんでも、このボロボロのクラブは……買いたくないな……」
英樹は私の顔を見て、吹き出しそうになるのを堪えながら言った。
英樹「大丈夫ですよ。U-ZOさん、このクラブを買うわけではありませんから」
私「えっ? 買わないの? じゃあなんでこれを打たせたんだよ」
英樹「U-ZOさんのスイングとヘッドスピードに合う『シャフト』を探してるんです。今打ってもらった4本は、ヘッドの形状は似ていますが、全部シャフトの硬さや重さが違うんですよ」
私「……なに? シャフト?」
クラブの先端(ヘッド)ではなく、棒の部分(シャフト)を選ぶ? 私の頭の中は、再びクエスチョンマークで埋め尽くされた。
(次号に続く)